指値交渉のポリシー

マジメな話ですみません。不動産売買において欠かせない、「指値交渉」の話をさせてください。

不動産投資家の皆さんなら、もちろんご存知かと思いますが、指値とは「買主が希望する購入価格」のことです。

例えば、1,000万円の中古戸建てがあったとします。この1,000万円は売主が決めた価格です。

これに対して、500万円で指値をするとします。これは買主が、「私はこの中古戸建てを500万円だったら買いますよ」と意思表示をすることです。

もちろん、1,000万円で買いたい人がいれば、指値は通りません。でも、3ヶ月、半年と売れ残っていると、売主も弱気になり「俺の決めた1,000万円じゃあ、誰も買ってくれないんだな。。しゃーない、500万円で手を打つか。。」と折れて、交渉は成立となるわけです。

指値をするやり方ですが、これは不動産投資家の個性が垣間見えるところです。

仲介会社に指値金額を伝えるだけで「あとは任せた」パターンの、ビジネスライクな人。

買付証明書を出して、きちんと書面で伝えるマジメな人。

長いお手紙を添える等して、情に訴えて指値成功を狙うトリッキーな人。

方法は様々ですが、指値交渉において重要な点は、「なぜその金額になったのか理由をしっかりと、かつ、下から目線で伝えること」だと思っています。

例えば最近、私が紹介された売アパートがあります。満室運営中とのことで、利回りも積算もよく興味を持ったのですが、詳細資料を取り寄せてみると、驚くべきことが分かりました。

直近で埋まった部屋の広告料が、7ヶ月もかかっているのです!

要するにそれは、「家賃7ヶ月分を不動産業者に握らせないと、入居者は決まらない超難関エリアだよ」ということを示しており、ひとたび空室がでたら年間賃料が吹っ飛ぶくらいのお金がかかるワケです。

指値をするときは、こういった具体的な根拠を示して、「年間○○円位の広告料を見込んだ上で計算し直した結果、××円であれば購入したいです」と分かりやすく提示するのが良いのかなと思います。

また、少し前に10LDKの珍しい戸建てがあり、シェアハウスにするのによいかと思って、内覧に行った時のことです。

売主のおじいちゃんが物件で待機していて、スリッパやお茶やマスクなどを出しながら、丁寧に説明してくれました。おじいちゃんは以前、工務店の棟梁だったとのことで、部屋はいわゆる魔改造されていました。

複雑に入り組んだ間取りと、むき出しの電気配線。。

おじいちゃんが50年暮らす中で、愛と夢とロマンと若干の無謀さで改造を重ねてきた、思い出の家なのでしょう。

「家を残したいけど、中古戸建てで買ってくれる人がいない。更地にして土地で売ることになりそうだ」と寂しそうに言ったのを聞いて、チャンス!と思いました。

ここぞとばかりに力強く「私だったら、解体せずにそのまま使わせて貰います。若い人のシェアハウスにぴったりで、古い雰囲気も今の若い人にウケると思います!」と高らかに宣言し、「これ位の値段だったらすぐに買います!」と指値交渉しました。

明らかに土地値以下の指値だったので、おじいちゃんは即答してくれませんでしたが、それでも「家をそのまま残したい」と言ってくれる人がいて嬉しかったのでしょう。良い雰囲気のまま内覧は終わりました。

不動産というのは不思議なもので、人生で最大級の高額商品であるにも関わらず、お金だけでは割り切れない、ウェットな商品でもあります。

お金の面と、感情の面とが、ちょうど上手くかみ合った指値がバランスのよい指値なのかなと思いますが、みなさんはどんな指値ポリシーをお持ちですか?

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