かっこいい立面図・パースに騙されたらあかん!

いろんなハウスメーカーや住宅展示場を回って建築相談をすると、数日後には営業マンが間取り図や立面図、なかにはパース図まで抱えて自宅訪問に来る。
定番やね。

次々とくる自宅訪問に、ちょっとウザいな〜と思っても、やっぱり「どんな間取り・外観やろか」と気になるのが人情で、ここから営業マンとユーザーの戦いが始まるわけや。

間取り図や仕様書は、慣れた人でも入念にチェック・読み込まんと見落とすこともあるから、必死になる。

そやけど、それでエネルギーが切れるのか、立面・外観パースは見てかっこよかったら、それで安心してしまう人が多い。

ぱっと見て、「わ〜、かっこええわ〜、こんなんなるんてすごいわ〜」で終わり。好き嫌いはあるやろけど、基本はかっこいいかどうかやから分かりやすい。

設計マンは、かっこよく見せる(描く)のが仕事というと、世間の設計マンから袋叩きにあいそうやが、当たらずとも遠からずで、それも腕のひとつや。

誰しも、自分の設計を美しく、かっこよく見せたいもんやし、決して悪いことやあらへん。その上で、ほとんどの設計マンは、わしみたいに真面目に設計しとる。ただし、中には経験不足や本来の目的を忘れた図面もあるから困りもんなんや。

いくつかの立面・外観パースで注意しといてほしいことを紹介しよう。

  • バルコニーが室外機置き場専用ではもったいない

のっぺらな外観にアクセントをつけるのに、ベランダやバルコニーは実用性もあって便利なアイテムや。そやけど、その実用性が問題なんよ。

日本にはタタミサイズのモジュール設計という習慣が古くからあって、建材なんかもこのサイズが基本になっている。

つまり、タタミの910×1820の短辺長さ910mmのグリッド上に、柱や壁を配置して設計しているのがほとんどなんや。

中には、1000mmモジュールを使っているメーカーもあるけど、グリッドで設計していることに変わりはない。

上の図では、奥行き1グリッドで幅が4グリッドになってる。普通によくあるタイプで、特に気にせんかったら、これでもええやろけど、ちょっと考えてみよか。

910mmのグリッドに外壁とバルコニー手すりを配置したら、有効奥行きサイズは、柱・下地材・仕上材などの厚みを引くと、750mm以下の寸法になる。1000mmモジュールでも840mmほどや。

ちょっとした椅子やテーブルを置いて、お茶したい、なんて夢見ても狭っ苦しくて無理や。唯一、エアコンの室外機置き場としては役に立つ。

あくまでもアクセントで、室外機とちっちゃな植木が置ければそれでいい、と言うなら何もいわんけど、ちょっとでも豊かな生活空間を望むんやったら、300mmほど伸ばして有効な奥行きを1mほどにした方がええ。コストパフォーマンスもグンと上がる。

  • 見せかけのドーマーは無駄

ドーマーは、かわいいし洋風っぽいから人気がある。ちなみに、業界では「鳩小屋」と呼ぶ人もいる。

流行りだした当初は、どこもかしこもドーマーを付けたがって困ったもんやった。

もともとドーマーは、小屋裏部屋に窓を造るためのものやったけど、いつのまにか日本では小屋裏の換気にも使われるようになった。

それでも、それなりに実用性(機能)があればええけど、飾りアクセントだけに使われることは考えもんや。

みんなも上の図を参考に想像してほしい。あんまりややこしいことは言わんけど、ドーマーがそれなりに見えるには、全面道路を含めて相応の距離が必要なこと、そして屋根が急勾配(図では45度=10寸)などの条件が必要になる。

視点距離が小さかったり、一般的な屋根勾配4寸(21.8度)前後の時には、ドーマーの先っちょしか見えん。

狭小3階建ての屋根に飾りドーマーを造っとる馬鹿がいたが、首が痛くなるほど見上げても軒裏しか見えん。

図面上で、シンプルな屋根が物足りなかったのかも知れんが、見えんものに金かけて、かっこいいでしょう?はないやろ。客の目はドローンやないで!

さらに、悪いことがある。ドーマーを造ると言うことは、雨漏り要因を増やすことに繋がる。シンプルな屋根面に複雑な雨仕舞い(あまじまい:納まりの一種)のドーマーを付け加える訳やから、雨漏りしやすくなる。注意せなあかんよ。

日本の敷地環境でドーマーの視覚的な効果が出るのは、上の写真のような平屋風の小屋裏2階がおすすめ。

いずれにしても、そういうことを理解した上で、ハリボテではない、実用性のある有効なドーマーにしてもらいたいもんだ。

  • 立面図・外観パースは参考図

上のドーマーと視点高さや距離を表した図でも分かるように、立面図のように真正面から全体を見ることはまずない。というより不可能や。

また、パースで設定されている視点距離は数十メートルになっているのが普通や。そんなに離れた位置から他の建物に邪魔されずに見えるわけがない。

最近人気のテレビ番組風に言うと、野原に「ポツンと一軒家」なら可能性はある。

上で紹介したような間違いや勘違いは、経験やセンスの乏しい設計マンが図面上だけでかっこよく見せようとするからで、素人は、それにすっかり騙されてしまいよる。

一方、設計マンにも言い分はある。立面やパースでかっこよく見せな契約にならんし、それ以外の表現方法がない。確かに、そういう面もある。

そやから、ユーザーも提示された図面やパースからイメージを膨らませ、いろんな建物を見て、実際に完成したらどんな感じになるやろかと考えなあかん。

いろいろと設計マンの悪口を言うたけど、わしも元設計マンや。全ての設計マンがいい加減なことをしてる訳やない。ほんの一部や。

何千万円にもなる買い物で、できるだけ後悔したくなければ、ユーザーも勉強せなあかんと言うことやな。

住宅の中古市場価格は、単に築年数や規模だけで評価される時代は終わりつつあり、住宅の基本性能や内外の実態に価値があるかどうかが問われるようになってきている。

将来に中古住宅として売るかどうかは分からないが、価値ある物件か二束三文になるかは、ちょっとした注意で変わってくる。賢くならなあかんで!

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