こんにちは、大阪在住の不動産投資家です。
今日は懇意の業者さんと一緒に、大阪市旭区にある区分マンションを見に行った時の話を投稿したいと思います。
僕は普段、腐りかけた廃屋物件しか購入しない「ボロ崇拝主義者」です。
でもこの日は違いました。
懇意の業者さんが、「たまには高級1棟マンションでも見に行きません?お買い得なやつが出たんですよ」と言うではありませんか。
お買い得な高級物件!?
なんて魅力的なワードでしょうか。
僕は、仕事を休んで駆け付けました。
ワクワクしながら業者さんと車で向かったところ、現地に建っていたのは平凡な三階建てのアパートでした。
「・・・これですか?」
「・・・これみたいです」
車での弾んだ会話が嘘みたいに、僕と業者さんは言葉少なにそのアパートに入りました。
沈んだ雰囲気を打ち破るように業者さんがいいました。
「ほら、最近は、ヴィンテージマンションとかが流行ってるでしょ?外観は古くても、室内はオシャレにリノベーションがしてある、みたいな。そういった物件かもですね!」と明らかにカラ元気で喋りかけてきます。
「・・・そやね」
すっかりテンションの下がった僕は、それでもわずかな希望を持って、空室の部屋におそるおそる足を踏み入れました。
じゃーん!!
・・・平均よりちょい下ランクの、特にコメントすることのないお部屋がそこにはありました。
業者さんは、もはやカラ元気を出すこともなく、「あっ、普通ですね」と言ったきり黙ってしまいました。
ささっと室内に目を通し、言葉少なに現地を後にしようとした矢先、近所に住むこの物件のオーナーさん(年齢80歳前後、ヨーダ似)がやってきました。

業者さんは鍵を返却しながら、少し強めの口調でオーナーさんに聞きました。
「オーナーさんから高級マンションだって聞いたので、そのつもりで案内したのですが・・・」
すると、ヨーダ似のオーナーさんは悪びれることなく答えました。
「高級マンションっていうのは、この物件の名前やねん。「サンハイツ・富士」みたいに「高級マンション・○○」っていうのが本名なんやから、しかたないねんっ!」
確かに、高級コールガールなんかも、”高級”って言い切ってしまうからこそ高い値段で売れるわけです。正直、どこが高級?ってガールでも本人が高級だと言えば、それで成り立つ世界なのです。
つまり大切なのは「言い切ってしまう心意気」です。
僕ら若造は、このヨーダ似のオーナーからジェダイ・マスターの知恵を学んだような気がしました。
「信じて言い切れ。現実は後からついてくる」
・・まあ、今でもこの物件は、売れていないみたいですけどね。