コロナで問われた不動産投資スタンス 「あなたはどの大家タイプ?」

こんにちは。名古屋で不動産投資家をしています。

愛知県はコロナの緊急事態宣言を外されて、「えっ大都市の仲間入りできなかった。。。」とショックを受けていますが、そんなコロナの影響で僕の持っている店舗物件の借主と、てんやわんやあった話を投稿します。

先日、某都市のオーシャンビュー物件で、カフェ運営したいという若者があらわれスケルトン状態で賃貸借契約を結びました。

今どきの若者らしく、カフェ経営をプロジェクト化し、クラウドファンディングで資金を集めるというのです。

おいおい大丈夫なの?とおっさんの僕が思っている間に、彼はさっさと資金を集めて、オープンの目処をたてました。

すげーな、若者。

驚きと賞賛の気持ちで賃貸契約を交わしました。

そんなわけで、集めた資金で順調にリフォームを行っている最中かと思っていたところ、今朝、こんなLINEが来ました。

「拝啓 大家様

おはようございます。

お借りした◎◎の物件に関して、少し、ご相談があります。

本来なら早めにお店にして、収益を確保する予定でしたが、コロナウィルスで、本格的に学校も外出禁止を出すところも多く、完成が秋くらいになってしまいそうなのです。

そこでご相談なのですが、数ヶ月、フリーレントをいただく事は難しいですか?

敬具」

・・・うーん。

年長の大家としては、大きな夢を持った若者に協力してあげたい気持ちは、少なからずある。

ただ、こっちだって不動産投資を事業としてやっている。

この物件だって、もちろん銀行に借入して購入しているし、「フリーレント数ヶ月」って気軽に言われても、その間の銀行返済は私が身銭を切らなければならないワケで。。

どうしたものかと悩み、仲間の大家さんに相談してみたところ、実に様々な回答が得られ非常に勉強になったので、それぞれご紹介いたします。

[大阪市在住 新進気鋭・若手の不動産投資家さん]

「僕も、入居者の同じ歳の女性から泣きながらガンになって入院するかも、家賃遅れますと連絡があり了承しました。今までは滞納のない人です。
3ヶ月滞納したら生活保護を勧めに行こうと思います。
僕が甘いかもしれませんが、、、

長い目で見て考えたら、自分の都合だけでなく相手にも寄り添いたい。

そんな気持ちで不動産業をしています。

今回でしたらフリーレントではなく、無料の期間分を来年から分割で家賃を多めに払ってもらう事を提案したいです。」

[関東在住 元職人・大家さん]

「先日、私も家賃の減額の依頼がありました。

70歳過ぎの老夫婦で入居されておりましたが、先日ご主人がお亡くなりになりました。
ご主人の契約継続の手続きをされた際に減額を要求されまして、即答でOKしました。

57000円を55000円
その時は、拒否出来ない自分でしたね。」

 

[神戸市在住 大地主大家さん]

「賃貸は経営、人には投資。

勇気を持って若者が、助けを求めてる。私なら3ヶ月の申し出なら逆に半年フリーにします。
ただしお店が上手くいきだしたら、一杯だけコーヒー奢れ!とか言いますかね。

あの時大家さんに助けてもろて…なんてストーリーはお金では買えません。
私はソロバンも物語もどちらも大切にしてるので、迷いは無いですね。

あ、いや、半年は言い過ぎました。でも、できる範囲でしたげて下さい。
ちなみに、私の方は、コロナの影響で持っている店舗のカラオケ屋さんから退去連絡来まして、かなり凹んでます」

[関東在住 民泊爆進中さん]

「自分が運営している転貸民泊で5物件の賃料の値下げ交渉中です。

ハードな交渉になるかと思いきや、どこも半年間、8割の減額で落ち着きそうです。

コロナ問題で大変な事情だと分かってくれます。
ありがたいです。

借主の立ち場からすると、もし今回のコロナ問題で家賃減額認めてくれてなかったら、すごく嫌な気分になってたと思います。

逆に非常時の家賃の減額認めてくれたので、有難いなあと感謝の思いになりました。何かお返ししたいなあという気持ちです」

[関西在住・建設会社経営の不動産投資家さん]

「僕が民泊用に貸している物件でも値下げ交渉がありました。
現時点ではお断りしましたが、僕もコメントされてる方々の様な懐の深い人間になりたいので値下げに応じようと思います。
ずっとモヤモヤしてましが背中を押して貰えました」

関西在住・太陽光をプラモデル気分で作る大家さん

「優しくした相手が、それに甘えて堕落していく姿を多く見てきました。
問題を自力で乗り越えられない人は、同じことを繰り返します。
そして、人は信用できません。
根本的な問題が、本当にコロナなのか分かりません。
それらを踏まえた上で、フリーレントが”本当に相手を救う行為になるのか”を考えつつ、自分が後悔しない選択をするべきだと思います。

“返済+税金に相当する金額だけは支払ってもらい、仕事を提供する”
という選択肢もありではないでしょうか。」

[宇都宮在住 店舗経営・不動産投資家さん]

「30年程自身にて経営等しておりまして、様々な経験をしましたし、20代前半で親父が会社を潰した時の経験等も踏まえたお話をさせていただきます。

店を経営すると言う事はあくまでも商売ですので、これらの事柄等を、予め、想定されて経営されていないのでしたら、必ず、また、同じ事を繰り返す事になるかと思います。

もし、これが約束手形でしたら、振り出した相手に待ってくれ、ジャンプしてくれって言えますか?

商売はそんなに甘くはありません。

私でしたら、キッパリと断ります。

過去に何度も裏切られた経験も御座いますし、終いには、自殺され事故物件にされた事例を間近で見て来ました。

ビルゲイツの言葉では御座いませんが

“泳げない奴は沈めばいい”

そんなにも甘く商売を考えている人間でしたら、別な意味で、また、迷惑を掛けて来るかとも思います。

冷たいと思われるかもしれませんが、特に飲食店等は、半年持続出来ない店舗を、嫌と言う程に間近で見て来ましたし、3年持続出来ないお店が普通でして、20年程、そんな物件を都内山手線の内側で散々売買して来ました。

また、こんな重要な事柄・お願いを直接お会いしてでも無く、電話でも無く、LINEで伝える事自体、言語道断、持っての他です。
以上です。」

[関西在住 美人・インテリアコーディネーター事業家さん]

「私は、賃貸業に関しては良くわかりませんが、借主と同年代っぽいので、感じたこと書いてみます。
正直、この文面では、◎◎さんに土下座して死ぬ気で必死に頼んでいる感じではなさそうな気がします。
なんとなく世間の流れ的にこのままじゃ工事完成無理だし、家賃払えないし、大家さんに相談してみようかな。
みたいな、他責な感じがします。

どんな状況でも、時代や周りのせいにせずに、やれる選択肢は無限にありますし、
借主さんが、◎◎さんにお願いするに至るまでにどれだけ考え抜いて、行動し、手を尽くしたか、それが見えて、はじめて本気の想いが伝わって、交渉に応じるか、条件出すかなど考えられるのではと思います。
日雇いでも、夜のバイトでもしてお金は作れます。


やれること全てやり尽くして、それでもどうしようもないから最後の助けを求む!
って人が助けられると思うのです。
という事を教育するところからが必要かなと思います。」

それぞれの大家さんの、「経営スタンス」、もっといえば、「社会や人間の見方」や「倫理観」までもが分かる非常に興味深い回答でした。

大家業といいますと、一般の人からは「なーんにもしないで、お家賃入ってきて、羨ましい商売ねえ〜」なとど嫌味たっぷりに言われたりしますが、違います。

みな、人間のダークサイドを少なからず垣間見ながらも、それぞれのスタンスで経営の舵をとり、住居という大切なインフラを提供する立派なプロなのだなあと、改めて大家業の深さを思い知った出来事でした。

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