中学生の頃の話です。
当時、テレビの通販番組で宣伝していた「イーグルアイズ」ってサングラスがとんでもなくカッコイイものに見えて、親に毎日ねだっていました。
でもいくら頼んでも親が買ってくれないので、その通販番組をビデオに録画して学校の友達に布教しまくりました。
「あれかけて街歩いたら、絶対モテるやろ〜な〜」と毎日友達に言いまくっていたら、なんと! 普段は目立たない地味なやつが、親からお小遣いをもらって購入してきたのです。
未開封のイーグルアイズの箱を学校に持ってきた地味な友達は、「放課後みんなで開けようぜ!」と、いつになく威勢良く仲間に呼びかけました。
放課後、学校近くの公園にみんなで集まり、ワイワイ言いながら箱を開けました。
実物をみた瞬間、あまりにチンケさに全員が無言になりました。
見るからに100円ショップで売っていそうなクオリティでした。
気まずい雰囲気を打ち破るように、勇気ある仲間のひとりが「ちょっと俺、かけてみるわ」と言いだしました。
かけた仲間の姿をみて、さらに全員が黙りました。
中学生の目からしても、100%でダサかったのです!!
地味な友人は、イーグルアイズを静かに箱にしまって、言葉少なに帰って行きました。
それから、学校でさらに地味な存在になってしまった友人のことを、僕は通販番組を見るたびに思い出すのです。