職場の先輩でアパートを所有している方から聞いた話です。
夕方で鍵もなかったので、とりあえず外側から建物の劣化具合を確認していました。
利回りの良い非公開物件を紹介されて、我先にと現地調査に行ったそうです。
十数戸の部屋は半分ほど明かりがつき始めていましたが、あるカーテンのない部屋から男性の後ろ姿がチラリと見えました。
カーテンもせずに入居しているのかな?と思って何気なく見ていたら、男性が急に振り向きました。
一瞬、目が合いました。
ドロリと曇った目で、瞬間的に悪寒が走り、慌てて帰宅しました。
その後、不動産屋に確認したら、「告知事項には当たらないので言わなかったのですが、、、男性が自殺した部屋があります。でもその自殺部屋には、その後数ヶ月間住んだ人がいるので、告知事項には当たらないと会社では判断しています」と正直に教えてもらったそうです。
多分、この物件のオーナーが、自殺した部屋に親族や知り合いを数ヶ月住まわせて、告知義務を免れるようにしたのでしょう。
事故物件の告知義務は、かなり曖昧です。
この部屋のように告知事項に記載がなくても、霊が見えるほど生々しい物件は、案外少なくないのかも知れません。