腐った人間。

管理会社で働いています。とある管理会社の日常について投稿します。

いつものように、生活保護者の身寄りの無い老人の家に、家賃回収に向かいます。その老人は足が悪くて振込に行けないので、したっぱ社員の自分が毎月取りに行くのです。

老人は生活保護ですが、きちんとした生活をしています。

いつも自分が回収にいくと、お客様みたいに家に上げてくれ、お茶なんかも出してくれます。

台所も居間も清潔に片付いていて、自分の家の方がよっぽど生活保護みたいだ、といつも苦笑いしています。

ちょっと世間話なんかをしていると、毎月同じタイミングで引き出しから封筒を取り出し、家賃をスッと差し出します。

この瞬間、4〜50万円の札束が毎月チラリと見えるのです。

老人は、なぜ生活保護になったのか不思議なほど、マジメな生活を送っているため、毎月もらうお金が少しずつ貯まっているようです。

パチンコ・キャバクラ三昧で、アコムさんにもたまにお世話になる自分とは大違い。やっぱり、どちらが生活保護か分かりません。

この封筒札束の存在は、家賃回収をやったことのある代々の先輩たちも知っています。自分が会社に戻ると、「今月も貯まってた?」と誰かに必ず聞かれるほどです。皆、なぜか自分の貯金のように、貯まるのを楽しみにしているのです。

ある夏の日、老人の隣の部屋の入居者から連絡がありました。変な匂いがしているそうです。先輩たちはピンときて、皆で駆け付け警察を呼びました。

やはり、老人は亡くなっていて、宅内は死臭と虫が蔓延していました。

普段なら、そんな現場には近寄らない先輩たちですが、みな刑事が部屋を検察している間、じっと大人しく待機しています。

目的はもちろん、引き出しのなかの、アレ、です。

待っている間に、一番上の先輩が「じゃんけんで取り分を決めておこう」と言い出しました。皆でじゃんけんをして取り分を決め、そわそわしながら待つこと2時間。

刑事が帰るやいなや、先輩たちはわっと室内に乗り込み、引き出しを開けました。

そこには、見慣れた札束封筒はありませんでした・・・。

馴染みの老人が死んだのを尻目に、札束封筒に群がる自分たちは、正直、人でなしだと思います。

でも、自分たちよりさらにハイレベルな人でなしは、刑事だったのです。

死んで腐った人の部屋を真面目な顔して検察しながら、ひそかに金目のものを物色する、生きて腐った人たち。

そんな光景を目にしてしまうのが、管理会社の日常です。

ハートが強くないと、やってはいけません。

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