大家に降りかかるネガティブショック
最近は、日曜日の半沢直樹を楽しみに毎日を過ごしています。水戸黄門のように終盤はお決まりで痛快にさばいてくれるので、ハラハラしながらも安心して見られるのが良いですね。世間では「時代設定が古い」とか言われているみたいですが、金融業界を知らない私からするとそもそもその「時代」がわからない・・。
前作を見ていたころから何も知らないもんで「銀行って本当にあんななんか」と思っていましたが、そういえば昔合コンにいたメガバンクの社員君が
「銀行って本当半沢そのものだよ。ただあんなもんじゃない。もっと縦社会で俺らには上司に逆らうなんて概念すらない。」
とぼやいていたところから見ると、なかなかというかかなり忠実に銀行の現実を描いているみたいです。怖いですね、大和田常務。
前作では「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」という松下幸之助の名言が何度か引用されていましたが、コロナ禍の今はいうなれば豪雨・・。傘なしでずぶぬれはご遠慮願いたいところですが、実際はどうなんでしょうか。
そこで今回は、コロナで今後の不動産投資の融資がどうなるのか見ていきたいと思います。
コロナショックで不動産投資に対する融資は引き締められる?
結論からいうと、コロナによる投資用ローンへの影響はなさそうです。大手金融機関を中心に投資用ローンの条件を見てみると、今のところコロナ前後で審査基準や金利、借入期間などに大きな変更は見られませんでした。
これは日銀がコロナによる経済の悪化を阻止するために金融緩和政策を強化してくれたおかげで、金融機関が前のめりで融資を行っていることが要因です。中には「どんどん融資の契約取ってこい」という号令のもと、休日返上で対応している銀行もあるとか。融資の条件は引き締められるどころか日銀の金融緩和で金利は今後下がると予想されているほどなので、この点からいうとコロナはむしろ不動産投資家にとって追い風かもしれません。
ただ、ネガティブな影響がまったくないというわけではないようです・・・。
約7割の不動産投資家がコロナショックで不利益を被っている
一般財団法人日本不動産研究所が今年の4月に行った不動産投資家調査によると、コロナのせいで投資家業にネガティブな影響を受けた大家さんは74.6%もいるとのこと。どんなネガティブショックがあったかというと、こんなことがあったそうです。
引用:一般財団法人日本不動産研究所 第42回不動産投資家調査 特別アンケート(Ⅰ)
やっぱり賃料への影響は大きいようですね。入居者さんが失業してしまったり収入が大幅に減ってしまったりすると家賃滞納や支払い猶予などもありますし、外出自粛やらテレワークやらで新規の賃貸契約は減っています。こんな状況だと供給が需要を追い越してしまうので、おのずと賃料を値下げしなくてはいけないといったかんじでしょう。
都市部は人口が多いためそこまで心配はいりませんが、地方の賃貸物件は今後賃料を下げざるを得なくなる可能性が高いと予想されています。ただ住宅は今のところホテルなどの宿泊施設や商業施設のような大きな打撃をくらっているわけではないので、商業施設なんかと比べると不動産価格も安定しています。都市部についていえばむしろ用地取得費や建設費が上がって不動産価格が高騰しているぐらいなので、今のところはそこまで不安視する必要もなさそうです。
とはいえ先が読めないコロナなので、油断は禁物。
大家さん向けの支援策や給付金の情報を載せておきます。
・資金繰りに困っている
経済産業省 新型コロナウイルス感染症で資金繰りにご不安を感じている事業者の皆様へ
・入居者やテナントの賃料を減免した
国税庁 国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ
・売り上げが50%以上減った(事業収入が対象で不動産収入は対象外)
・収入が減ったので国税納付を猶予してもらいたい
・固定資産税を減免してもらいたい
経済産業省 新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
国の支援策は大いに使いまくりましょう。
私もいつ雨が降ってもいいように、とりあえず傘、買いだめしておきます。